石炭専業会社の脱石炭M&A

イベントレポート 

吉岡 泰⼠ ⽒|三井松島ホールディングス株式会社 代表取締役社⻑

第190回 GCAクラブ(2021年8月開催分)ダイジェスト

今回は2021年8月に開催された三井松島ホールディングス株式会社代表取締役社長の吉岡泰士氏による基調講演、ならびに弊社代表渡辺とのパネルディスカッションの内容を抜粋してお届け致します。

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基調講演「石炭専業会社の脱石炭M&A」

三井松島ホールディングは石炭生産を祖業に持つ会社でありますが、近年積極的な非石炭事業領域のM&Aを行い、事業ポートフォリオの変革を着実に進展させております。

<三井松島ホールディングスの近時M&A(買収)>
・2014年:日本ストロー(飲料用資材)
・2015年:花菱縫製(衣料品)
・2015年:クリーンサアフェイス技術(電子部品)
・2019年:明光商会(事務機器)
・2020年:ケイエムテイ(ペット関連)/三生電子(電子部品)
・2021年:システックキョーワ(住宅関連部材)

吉岡氏は元GCA社員で三井松島ホールディングスをアドバイザーとして担当しておりましたが、2013年に転じられ以後9年間で7件のM&A実行を主導されました。

M&Aの実行ならびに買収後の経営に深く関与されている「買収当事者」の立場から買収時の失敗談や留意点、買収後の経営に関する向き合い方等を実際の事例に即して、非常にリアルに語って頂きました。以下は主に言及頂いた事例/トピックスとなります。

<日本ストローの買収:吉岡氏による第一号案件>
・案件ソーシング:投資ファンド保有銘柄を見ていく中で目が留まる。目を留めたポイント
・社内合意形成:トップは前向きである一方で社外取締役が猛反対。どう説得したか
・今後のストロー事業:高いシェアを背景に素材/飲料メーカーが協力。環境対応素材への移行

<クリーンサアフェイス技術の買収:想定外の問題発生とその対応>
・社内の雰囲気:脱石炭がより鮮明化。前案件の成功により新規事業買収に向け追い風ムード
・事業の魅力:半導体企業等の製造過程で多く費消されるため、安定的な収益を生む
・買収後の問題発覚:どのような問題が発生しうるか。その問題をいかにしてコントロールしたか

パネルディスカッション

基調講演後に行われたパネルディスカッションは、GCAに在籍されていたこともあり弊社代表渡辺と非常にフランクな雰囲気の中で活発な意見交換が行われました。

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主に取り上げたテーマは以下の通りとなります。
・M&Aで手に入れた会社を活かすために
・新規事業に取り組む際、抵抗勢力にどう対応していくか
・変化の激しい環境下「無くならない市場」をどう見極めるか。どのように担保するか
・投資ファンド案件/事業承継案件の長短
・「EXITをしない投資会社」としてやるべきこと

基調講演/パネルディスカッションの内容を一部抜粋してお届けしましたが、現場でないと聞けない内容や経営者/専門家とのリアルタイムでのQ&AセッションはGCAクラブの大きな魅力となっております。