JSRによるエラストマー事業のENEOSへの売却|ケーススタディ

M&Aナレッジ 
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サマリー

JSRによる祖業でもある本業のエラストマー事業の売却(カーブアウト)に関して、GCAはJSR側のファイナンシャル・アドバイザーとして非常に複雑な条件交渉を含むグローバルでの売却プロセスをリード。

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本案件におけるGCAの役割

  • GCAはJSRのファイナンシャル・アドバイザーとして本件に関する助言、専門家の統括、買い手との交渉等を担当
  • 国内事業の複雑なカーブアウトに加え、12ヶ国22エンティティにわたる高難易度の大規模案件を高いエグゼキューション能力で遂行
  • 従業員のみならず、株主や対象事業の顧客や海外JVパートナーなど本件特有の多数のステークホルダーに配慮しつつ、クライアントの意向に沿ったディール設計を実現
  • 売却後も同一のコンビナート内で共存・協力可能な買い手を見極め、化学業界特有とされる高い再編のハードルを越えて案件を成約

会社概要

JSR株式会社(売り手)

  • 合成ゴムの国内最大手メーカー。合成ゴムの国産化を目指して制定された「合成ゴム製造事業特別措置法」 の施行により設立された国策会社を前身とする
  • 民間会社に移行後は合成ゴムからエマルジョンや合成樹脂へと石油化学系事業を展開するとともに、固有の高分子技術を活用して半導体材料・ディスプレイ材料・光学材料等へ業
  • 容を拡大し、情報電子材料を核としたファイン事業を推進
  • 近年においてはグローバル市場の成長性が大きく、強みである技術革新力をより発揮できるデジタルソリューション事業とライフサイエンス事業を中長期的な成長事業として位置付け

JSR株式会社 エラストマー事業(対象事業)

  • 同社の祖業であり、売上高の約32%(2019年度)を占めるまさに本業といえる事業。国内最大手としてタイヤ素材であるSSBR(溶液重合ブタジエ ン・スチレンゴム)をはじめとする高付加価値合成ゴムの分野を中心に高い技術力を持ち、国際的な信頼を獲得している
  • 一方、当該事業領域では近年グローバル競争が激化しており、成長鈍化・収益性悪化が大きな課題であった
  • 主要3工場(四日市・千葉・鹿島)からなる国内事業および主要海外工場(タイ・ハンガリー)を含む12ヶ国22エンティティの子会社・関連会社株式から構成

ENEOS株式会社(買い手)

  • 日本最大の総合エネルギー・資源・素材企業グループであるENEOSホールディングスの子会社で、石油製品の精製及び販売、ガス・石炭の輸入及び販売、石油化学製品の製造・販売等を手がける
  • ENEOSグループは2040年長期ビジョンにおいて、機能材事業を技術力の発展的強化を図る成長事業として位置付けており、高付加価値製品のラインアップ強化に積極的
  • 石油化学業界のバリューチェーンの川上に位置する企業であり、合成ゴム関連ではエラストマー原材料の研究開発技術を有する

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