2021年の物流業界動向

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レポートサマリー

  • コロナ禍における影響で世界的な物流網の混乱が継続する中、生活様式の変化に伴うラストワンマイルの多様化や、カーボンニュートラル実現に向けた車両のEV化、共同輸配送、モーダルシフト等への取り組み、ロボット活用による自動化や国際物流や貿易手続きのDX化の加速など、近年物流セクターを取り巻く環境は大きく変動している。特に自動化、DX化の領域では、異業種との提携や異業種による参入など、業界の垣根を超えた動きが活発化している
  • 2020年はコロナ禍の影響で業績が一時落ち込む企業も多かったが、世界経済の回復に伴う旺盛な輸送需要を背景に2021年はほとんどの企業で増収・増益を達成。特に海上運賃の上昇を追い風に海運業界では著しい業績改善がみられた
  • 大幅な業績改善を達成した海運業界やEC市場拡大により宅配便取扱個数が増加した宅配業界の株価は大幅に上昇しているものの、物流業界全体で見れば、業績の改善に対して株式市場からの評価が伴わず、バリュエーションは低下傾向にある状況
  • サプライチェーン再構築を背景とした物流子会社の売却や、後継者不足・コロナ禍における業績悪化を背景とした地方物流企業の売却、DX化推進に向けた物流スタートアップへの出資等、本邦物流セクターにおいては国内案件が大幅に増加。しかし、大型買収・再編等が引き続き活発に行われているグローバル物流セクターのM&Aマーケットと比較すれば、引き続き件数・規模ともに少ないと言えよう。今後日系物流企業がグローバルな競争で勝ち抜いていくためには、M&Aが成長戦略のオプションとして活用される余地が未だ多分にあるとも考えられる


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