LBOファイナンスの最新動向(2025年12月版)

ファイナンシャルスポンサーズ 

2025年も近年の傾向通り、TOB案件が更に増加しました。類型別に見ても、引き続き純粋MBOの割合は減少し、スポンサー型の案件の割合が増加しています。

かかる状況下、日経平均株価は2025年初約39,000円から年末には約50,000円まで上昇し、上場企業のバリュエーションは高騰しました。足元では中東情勢を受け株価が乱高下しており、直近水面下で検討されているTOB案件に、これらの動きがどう影響するかが今後注目されます。

「金利のある世界」が到来し、スポンサーの資金調達コストも徐々に上昇しました。企業を取り巻く環境も不確実性を増す中、非公開化案件におけるEV/EBITDA倍率及びレバレッジの水準は、昨年を若干下回る結果となりました。産業の構成や個々の案件の特殊事情などにも左右されるため一概には言えませんが、全体として非公開化案件において、適切なバリュエーションとレバレッジ水準を模索する動きが続いていた可能性があります。

こうした環境下、2025年の新たな傾向として、一部大型案件でオフショアにおけるHold-coレベルでのローン/メザニンの調達があると思われる案件や、ブリッジローン等を活用し投資実行後一定期間経過後にキャピタル・ストラクチャーを固めていくことが想定されていると思われる案件がありました。米国では、この他にサブスクリプション・ファイナンス(ファンドの未使用枠へのキャピタル・コール・ライツを担保にした融資)や、NAVファイナンス(ファンド自体の純資産価値を担保にした融資)等の、「ファンドファイナンス」と呼ばれる手法を活用しながら、機動的に投資案件を実行しつつ、本格的なキャピタル・ストラクチャーはその後固めていくスタイルも多くみられてきましたが、日本でもファンド規模の大型化や潤沢な案件機会を背景にこうした柔軟な資金調達の形態が広がっていく可能性があります。

欧米ではソフトウェア関連企業のバリュエーション低下に伴い、これらの産業に積極的に融資を実行してきたプライベート・クレジットへの懸念が高まってきています。日本においてはLBOファイナンスの担い手は商業銀行が中心であり、直接的な影響は今のところ見られませんが、上述の通り、買収ファイナンスの形態は徐々に多様化・複雑化してきており、今後の動向が注目されます。

記事監修

この記事を監修している弊社担当者です。