LBOファイナンスの最新動向(2024年12月版)
2025.03.31
2024年は前年に比べTOB案件が大幅に増加しました。非公開化TOBの類型別では、純粋MBOの件数は減少した一方で、スポンサー型TOBの件数は増加する傾向が見られました。
政府によるコーポレートガバナンス改革の進展により、上場企業は資本効率や株主利益を重視する経営と向き合い、一方でアクティビストの活動が活発化したことも非公開化TOB増加の要因とみられます。
また、2023年8月31日に経済産業省が公表した「企業買収における行動指針」では株主共同の利益確保の重要性が明確に謳われ、2024年に実施された非公開化TOBのEV/EBITDA倍率(中央値)は昨年の8.2xから10.6xとバリュエーション水準にも一定程度の影響を及ぼした可能性があります。
結果として、非公開化TOBのスポンサーとなるPEファンドは、高いバリュエーション水準の中で十分なリターンを確保するため、銀行からのLBOローンをより高水準で調達する傾向がみられました。また、メザニンファイナンスを活用する事例も増加しています。今後デットファイナンスの多様化の動向にも注目が集まります。
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