不動産セクター | マーケット動向レポート(2024年度決算概要)
2025.08.07
レポートサマリー
- 通期決算において、業界全体としては建設・資材コスト高が懸念されたものの、活況な投資家需要、不動産価格の上昇に加え、資産の入替により利益を確保する動きがより顕著となり、各セクター増収増益となった。今期予想においても引き続き増収増益を見込む
- 株価について、「戸建住宅」業種は、前期に大型買収等の好材料があったが今期の材料が少なく、TOPIX対比アンダーパフォーム。「総合ディベロッパー」業種は、2Qの決算は発表後に予算進捗の遅れなどの影響で下落基調にあったが年始にかけて回復。その他業種は概ねTOPIX並み以上の推移となった
- 2024年4月~2025年7月では、大型不動産アセットのディールが目立ったが、不動産企業を対象としたM&A案件では、Hillhouse InvestmentによるサムティHDの買収、ヒューリックによるレーサムの買収、名古屋鉄道のトーセイへの資本参加など「不動産投資」業種が活発。加えて、サッポロホールディングスによるサッポロ不動産開発の売却(プロセス中/報道ベース)や、三菱ケミカルによるダイヤリックスの一部事業売却など、企業による事業選択と集中の動きも見られた
- 今後、非不動産事業会社によるポートフォリオマネジメントを起因とした不動産事業売却や、金利上昇や建築・資材コスト上昇局面におけるコスト圧縮等を企図した資本提携の動きもみられる可能性があると推察される
記事監修
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