インダストリアルテックセクターアップデート(2024年4Q)

インダストリアル 

インダストリアルテクノロジーチームより、マテハン・ロボット・FA業界の最新動向をまとめた四半期アップデートをお届けします。

各社の業績について、2024年第3四半期は、AI向け先端半導体を筆頭に、一部のエンドマーケット市況が回復傾向にある一方で、中国市況の回復は未だ弱く、加えてEV関連市場の落ち込みなどから顧客企業の投資抑制傾向は継続しており、ロボット・FA企業を中心に減収減益の企業が散見される結果となりました。

当セクターの株価については、FA関連市場での在庫調整の継続や中国市況の回復遅延に加え、米トランプ政権発足に伴う貿易政策を巡る多大な不確実性、欧州での景気停滞といったマクロ的な影響から、多くのサブセクターにおいて、株価パフォーマンスは市場インデックスを下回る結果となっています。

M&A市場に目を向けると、足許のマクロ状況を踏まえ、大型投資に対する慎重な姿勢は継続しており、2025年に入ってからも件数・金額ともに停滞しています。ソフトウェア・AIといった先進技術の獲得を企図した出資案件は引続き見られる一方で、親子上場解消を目的とした案件や同意なき買収が複数件発表されるなど、市場再編の動きは活発化してきております。

主な日本企業関連案件としては、豊田自動織機による上場子会社のアイチコーポレーションの一部持分の伊藤忠商事への売却や、台湾Yageoによる芝浦電子へのTOB(開始前)、ニデックによる牧野フライスへのTOB (開始前)といった案件が発表されました。海外では、Clayton Dubilier & RiceおよびColumbus McKinnonによるKito Crosbyの買収などが発表されています。

本レポートが本業界に関する直近動向の整理の一助となりましたら幸いです。
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