セクター天気予報 2023年6月版

セクターレポート 

23/3期の第4四半期は減益となったセクターもあるものの、全体としては業績好調で天候も良好なセクターが大半となりました。一方でコロナ特需も終焉を迎え、また燃料費や原材料費、人件費などの高騰の影響を受け、24/3期(進行期)は売上高成長の鈍化や収益性の悪化を見込む企業も多く、今後の天気は全般的に下り坂となっています。 日本企業によるM&Aはコロナ禍で一時的に落ち着いていたものの、足元では様々な業界でクロスボーダーM&Aや大型M&Aが公表されており、天気は下り坂であっても、引き続き攻めのM&Aは増加していくように思われます。

セクター天気予報 2023年6月版

  • 天気アイコン:売上高成長率、営業利益(絶対額)の成長率および営業利益率の改善率を基準として、晴れ、晴れ曇り、曇り、小雨、雨の5段階
  • 現在の天気:前年同四半期との比較で現在の天気を判定
  • 天気予報:昨年通期実績と今期見込みとの比較で天気予報を実施
業界 分野 現在の天気
(前年同四半期比較)
天気予報
(今期見込)
1Q
(22/06)
2Q
(22/9)
3Q
(22/12)
4Q
(23/03)
インダストリアル 機械 資本財
インダストリアルテック
エネルギー 石油
電力
ガス
ケミカル・マテリアル 素材
化学
建設
物流
オートテック 自動車
テック
ヘルスケア
コンシューマー 食品
外食
小売
資本財
営業利益成長率
 四半期比較   :30.6%
 通期比較    :21.6%
EV/EBITDA:10.7x → 8.4x
PER      :33.3x → 19.6x
PBR      :2.0x → 1.5x
構成企業:
ダイキン工業/三菱重工業/小松製作所/クボタ/ジェイテクト/IHI/日立建機/住友重機械工業/日本精工/SMC/NTN/マキタ/荏原製作所/ダイフク/DMG森精機/日立造船/THK/ホシザキ/栗田工業/セガサミーホールディングス/ディスコ/ナブテスコ/アマダ/他17社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
17.7% 0.9% 5.6%

・リードタイム・人件費対策の自動化の推進、脱炭素対応ニーズ、生産拠点の再編といった長期的な成長傾向は継続しており、中央値としては、前年同期に比して、増収増益、並びに株価上昇。一方、個別企業ベースでは、部材高騰の価格転嫁、中国を中心とした需要減衰への対応、悪化している半導体市況の影響を受けた企業も相当数見られた
・今期予想は、物流コストの平準化や挽回生産の拡充が期待されるものの、欧米金利の落ち着きが見込まれるまで、設備投資控えによる、機械受注や半導体市況の悪化に起因する、一時的な調整局面の様相

通期比較
(実績vs見込み)
12.2% 0.7%
インダストリアルテック
営業利益成長率
 四半期比較   :29.6%
 通期比較    :2.6%
EV/EBITDA:8.2x → 8.0x
PER      :15.3x → 13.4x
PBR      :1.3x → 1.2x
構成企業:
日立製作所/デンソー/三菱電機/豊田自動織機/ヤマハ発動機/川崎重工業/IHI/キーエンス/オムロン/ファナック/ダイフク/三菱ロジスネクスト/安川電機/横河電機/不二越/オカムラ/アズビル/椿本チエイン/ダイヘン/FUJI/ローツェ/平田機工/トーヨーカネツ/西部電機
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
14.0% 1.2% △2.5%

・インフレ加速に伴う景気後退からアマゾン等の大手ECが大型自動倉庫プロジェクトを凍結した影響で、マテハン(物流)は低調な動き

・売上は増加を達成した企業が多数に上った一方営業利益率の成長は各社低調であり、それを反映する形で株価成長率は多くの企業がTOPIX成長を下回る結果となった

・本セクターのM&Aの動きとしては、23年1月に公表されたSSI SchaeferによるオーストリアのDS Automation(AGV/AMRメーカー)の買収(40%保有→100%化)など、大型案件は既に関係が深い先の買増しという形が中心で、それ以外は少額買収・出資が多い状況

通期比較
(実績vs見込み)
2.0% 0.1%
石油
営業利益成長率
 四半期比較   :△82.4%
 通期比較    :△21.1%
EV/EBITDA:3.3x → 4.0x
PER      :4.8x → 5.6x
PBR      :0.5x → 0.5x
構成企業:
ENEOSホールディングス/出光興産/コスモエネルギーホールディングス/INPEX/富士石油
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
10.1% △6.4% 2.4%

・原油価格が下落基調となった影響で在庫影響が大幅に減少し、前期の在庫影響益が反転したため、元売各社は減益の結果となった。今期は石油事業は回復基調を見込むが、開発事業は資源価格の下落等により減益予想であり、特に後者の影響が大きく全体としては減益予想となった

・石油各社の株価は、アクティビスト銘柄となったコスモやポートフォリオ整理が好感されたJAPEXを除くと、1年前を比べて大きな変化はなく、業界のP/B倍率は概ね0.5x程度で推移

通期比較
(実績vs見込み)
△12.2% △1.2%
電力
営業利益成長率
 四半期比較   :△7.7%
 通期比較    :△44.0%
EV/EBITDA:23.1x → 23.8x
PER      :14.8x → 32.3x
PBR      :0.5x → 0.6x
構成企業:
東京電力ホールディングス/関西電力/中部電力/東北電力/九州電力/電源開発/中国電力/四国電力/北陸電力/北海道電力/イーレックス/沖縄電力/レノバ/リニューアブル・ジャパン
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
21.3% 7.5% △4.3%

・燃料価格・卸電力市場価格の高騰等により、概ね小売・発電・送配電事業共に減益傾向となり、中部電力を除いて前年同期比で大幅な減益結果となった。今期は、燃料価格の低下や規制料金の一部値上げ承認から各社増益となる見込み(値上げ申請中の電力会社は今期見込みは現状未公表)

・電力各社の株価は、昨年時点から市場環境・業績見通しの改善が進んだため、TOPIX並の伸長率で推移しており、業界のP/B倍率は0.6倍程度の水準

通期比較
(実績vs見込み)
△12.5% 5.1%
ガス
営業利益成長率
 四半期比較   :90.8%
 通期比較    :△49.7%
EV/EBITDA:8.4x → 7.4x
PER      :17.6x → 6.8x
PBR      :0.8x → 0.8x
構成企業:
東京瓦斯/大阪瓦斯/東邦瓦斯/西部ガスホールディングス
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
24.4% 3.6% △1.0%

・主に国内ではスライド差益の影響、海外では資源価格高の影響により、フリーポート停止の影響が大きかった大阪ガスを除いて、増益の結果となった。今期は対照的に、スライド差益の縮小、資源価格の低下により全体として減益が見込まれるが、大阪ガスはフリーポートの運転再開及びスライド差益の改善により増益を見込む

・直近1年での各社株価動向にはばらつきが見られるが、業界のP/B倍率は0.7倍程度の水準

通期比較
(実績vs見込み)
△11.6% △2.9%
素材
営業利益成長率
 四半期比較   :△9.7%
 通期比較    :4.8%
EV/EBITDA:5.0x → 5.3x
PER      :7.0x → 6.6x
PBR      :0.6x → 0.6x
構成企業:
日本製鉄/JFEホールディングス/神戸製鋼所/AGC/三菱マテリアル/住友金属鉱山/UACJ/日本板硝子/三井金属鉱業/大同特殊鋼/日本軽金属ホールディングス/山陽特殊製鋼/大和工業/セントラル硝子
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
4.1% △0.6% 13.5%

・原材料・エネルギー価格の高騰による逆風が継続。コロナ禍による自動車需要の回復はひと段落した様子であり、価格転嫁の成否が各社業績を大きく左右

・国際情勢の不透明さは払拭されておらず、今後の動向が注視されるも各社ともに今期見込みは概ね堅調な見方

・ESG対応も継続しており、エネルギーや生産性向上のための設備投資を掲げる企業多数

通期比較
(実績vs見込み)
3.2% △0.2%
化学
営業利益成長率
 四半期比較   :△8.8%
 通期比較    :16.1%
EV/EBITDA:6.6x → 7.1x
PER      :12.2x → 13.5x
PBR      :1.0x → 0.9x
構成企業:
三菱ケミカルグループ/住友化学/信越化学工業/旭化成/三井化学/昭和電工/日本ペイントホールディングス/積水化学工業/日本酸素ホールディングス/東ソー/DIC/日東電工/エア・ウォーター/三菱瓦斯化学/クラレ/カネカ/ダイセル/関西ペイント/UBE/デンカ/JSR/日油/日産化学
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
6.8% △1.7% △7.0%

・中国を始めとする世界経済の停滞、石油化学品の市況低迷、半導体の生産調整に伴う需要低迷等により減益となる企業が目立った

・2023年度前半は上記傾向が継続すると見られるも、年度後半からの景気回復を期待する見方が多く、通期予想は増益を見込む企業が大半

・日経平均がバブル崩壊後最高値を記録したのとは対照的に、化学企業の株価は下落傾向にありコロナ前の水準を下回る企業も散見される

通期比較
(実績vs見込み)
5.5% 0.7%
建設
営業利益成長率
 四半期比較   :2.2%
 通期比較    :10.9%
EV/EBITDA:5.5x → 6.2x
PER      :9.8x → 12.9x
PBR      :0.8x → 0.8x
構成企業:
鹿島建設/大林組/清水建設/大成建設/インフロニア・ホールディングス/エクシオグループ/きんでん/戸田建設/関電工/コムシスホールディングス/三井住友建設/ミライト・ホールディングス/九電工/熊谷組/安藤・間/高砂熱学工業/ユアテック/トーエネック/ダイダン/他9社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
6.4% △0.5% 4.7%

・2022年度は堅調な公共工事需要や民間設備投資回復により全体で増収となるも、利益面については資材価格上昇や工事損失引当金計上等により最終的に小幅な増益又は減益となる企業が見受けられた。2023年も引き続き受注環境は堅調であり、価格交渉や資材の早期発注、生産性向上等の利益改善に向けた取り組みに注力する動きも見られ、業界全体としては増収増益が見込まれる

・株価については東証が3月にPBR低迷企業への改善要請をしたことや、一部企業に対するアクティビストによる増配要求により今後の株価上昇が期待された結果、概ね全ての銘柄で株価は上昇

・M&Aについては、スーパーゼネコンである大林組・清水建設が国内でM&Aを実施。また、2021年に西松建設に投資した伊藤忠商事がオリエンタル白石に投資しており、アクティビストが関連する建設銘柄に対する伊藤忠商事の投資が目立っている

通期比較
(実績vs見込み)
4.3% 0.3%
物流
営業利益成長率
 四半期比較   :△2.6%
 通期比較    :△0.5%
EV/EBITDA:4.7x → 4.9x
PER      :11.3x → 9.9x
PBR      :0.8x → 0.7x
構成企業:
日本郵船/NIPPON EXPRESSホールディングス/ヤマトホールディングス/商船三井/SGホールディングス/近鉄エクスプレス/川崎汽船/日立物流/センコーグループホールディングス/セイノーホールディングス/山九/SBSホールディングス/鴻池運輸/他17社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
0.0% △0.1% 3.7%

・直近事業年度(通期)の業績については、自動車や半導体製造装置の輸送需要増加、EC物流の拡大等、良好な事業環境が継続したことを受けて、基本的に増収増益で着地。一方でサプライチェーン混乱による運賃高騰が一段落し、第4四半期だけで見れば減収減益となった企業も存在

・進行期の業績については、世界的な景気過熱感を警戒したグローバルでの需要剥落に加え、運賃水準の下落や人件費の高騰等、足許では収益圧迫要因が漸次的に顕在化している状況等を踏まえ、多くの企業で減収減益を見込む

・株価およびマルチプル水準については、人的物的移動の活発化、資産規模の適正化やコストコントロール等の各社の取り組み、日本株マーケットの全体的な上昇を材料に、各社の足許の株価は上値の軽い展開となり、結果として、基本的にマルチプルは上昇傾向

・直近のM&A動向として、NIPPON EXPRESSによるCargo-Partnerの子会社買収や三菱倉庫によるCavalier Logisticsの買収、郵船ロジスティクスによるTaylored Servicesの買収など、グローバルでのプレゼンス強化を企図した色合いの案件が確認される

通期比較
(実績vs見込み)
0.5% △0.1%
自動車
営業利益成長率
 四半期比較   :25.4%
 通期比較    :13.1%
EV/EBITDA:4.5x → 4.8x
PER      :9.7x → 10.3x
PBR      :0.9x → 0.8x
構成企業:
トヨタ自動車/本田技研工業/日産自動車/デンソー/スズキ/アイシン/マツダ/SUBARU/豊田自動織機/いすゞ自動車/三菱自動車工業/ヤマハ発動機/トヨタ紡織/日野自動車/豊田合成/NOK/東海理化電機製作所/テイ・エス テック/KYB/武蔵精密工業
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
16.3% 0.5% 0.7%

・自動車OEMでは、コロナ禍や半導体不足の影響が和らいだ上、円安効果が収益を押し上げた結果、全体的に増収傾向となった。一方、原材料価格高騰などの影響を円安や経費削減でカバーし切れず、減益となった企業もみられた。車載半導体不足の緩和によって、生産制約は徐々に改善に向かっており、今期も四半期を追うごとに生産台数は拡大する見通しで業績向上が期待できる

・日系大手自動車OEMの生産回復によって、自動車部品メーカーも前年同期比で増収傾向はみられるものの、原材料やエネルギー価格の高騰による収益圧迫が減益要因となっている

通期比較
(実績vs見込み)
4.6% 0.2%
テック
営業利益成長率
 四半期比較   :10.6%
 通期比較    :4.8%
EV/EBITDA:7.8x → 9.0x
PER      :22.3x → 19.2x
PBR      :2.7x → 2.2x
構成企業:
日本電信電話/日立製作所/ソニーグループ/パナソニック/ソフトバンクグループ/ソフトバンク/KDDI/三菱電機/キヤノン/富士通/リクルートホールディングス/東芝/日本電気/東京エレクトロン/シャープ/エヌ・ティ・ティ・データ/TDK/日本電産/京セラ/リコー/他130社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
9.7% △0.5% △4.1%

・電機セクターでは、円安を追い風に海外事業での売上が伸長し増収傾向となったが、利益面では各社明暗が分かれた。ボラティリティの大きい製品群からの撤退等、事業/製品ポートフォリオの入れ替えが進んだ企業も多いが、各社の取り扱う製品、生産体制、地域毎の需要状況など、各社の収益改善幅にはばらつきがあり、今後の取り組み方針により差が開く可能性はあるものと推察

・電子部品セクターは22年秋以降、部品需要が鈍化し、4Qも低調だったが、好調だった上期や為替の円安進行が通期業績を牽引した。民生機器向けを中心とした調整局面が継続しているが、各社の今期業績予想は下期の市場回復を織り込み、ほぼ前年並みの売上を計画する企業が多い

・国内IT投資環境は全体として引き続き良好で、DX対応を背景とした旺盛な需要により拡大基調が続く見通し。直近四半期で全体的に増収増益傾向だが、株価に関しては米金融機関の破綻や米金利の利上げ継続などの影響を受け上値が重かった

通期比較
(実績vs見込み)
3.8% △0.1%
ヘルスケア
営業利益成長率
 四半期比較   :△3.3%
 通期比較    :6.3%
EV/EBITDA:12.1x → 11.5x
PER      :26.3x → 25.2x
PBR      :2.8x → 2.7x
構成企業:
武田薬品工業/メディパルホールディングス/アルフレッサ ホールディングス/スズケン/アステラス製薬/第一三共/中外製薬/オリンパス/テルモ/エーザイ/住友ファーマ
シップヘルスケアホールディングス/ニプロ/島津製作所/小野薬品工業/シスメックス/協和キリン/他27社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
9.0% △1.7% △15.0%

・ウィズコロナへの新たな段階への移行が加速し、経済活動の正常化や緩やかな景気回復傾向を背景に、多くのヘルスケアセクター企業で昨年同期比で増収を達成。利益水準は世界的な物価高や人件費増、為替変動等の不確定要素により大きく増加する企業は少なく、セクター全体では昨年同期比と同等の水準で着地する結果となった

・株価は昨年同期比を下回る水準で推移する銘柄が多く、昨今の日本市場の盛況ぶりに鑑みるに他セクター対比やや出遅れ感のある状況。バリュエーション水準(EV/EBITDA)は低調であり、引き続きコロナ禍特需が剥落した後の収益確保が課題となっている

・主なM&A案件としては、アステラス製薬による約8,000億円の米バイオ医薬品企業IVERIC社買収などがあるが、製薬業界のトレンドとしては薬価引下げによる国内市場での成長頭打ち感に対応するべく、海外市場の強化や事業の選択/集中施策を推進する企業が散見された

通期比較
(実績vs見込み)
4.4% △0.2%
食品
営業利益成長率
 四半期比較   :18.7%
 通期比較    :6.4%
EV/EBITDA:7.9x → 8.5x
PER      :17.9x → 20.6x
PBR      :1.4x → 1.3x
構成企業:
日本たばこ産業/アサヒグループホールディングス/キリンホールディングス/サントリー食品インターナショナル/味の素/日本ハム/明治ホールディングス/山崎製パン/マルハニチロ/コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス/伊藤ハム米久ホールディングス/他28社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
11.3% 0.2% 4.4%

・販売価格改定や海外事業における円安の押上げ効果により、売上高は前年同期比で二桁%増収の状況

・他方、国内を主戦場とするプレーヤーを中心に円安を伴う原材料高騰の影響を吸収しきれず、営業利益率は前年同期比で微増

・株価の伸び(TOPIX比)は業界全体では4.4%と微増。日本たばこ産業、味の素、日清食品ホールディングスなど、海外売上比率の高い食品企業は二桁の伸びを示しているところもある一方で、国内を主戦場とする企業を中心に下落傾向にある

通期比較
(実績vs見込み)
4.5% 0.1%
外食
営業利益成長率
 四半期比較   :40.5%
 通期比較    :23.4%
EV/EBITDA:15.1x → 16.1x
PER      :39.0x → 62.5x
PBR      :3.5x → 3.7x
構成企業:
ゼンショーホールディングス/日本マクドナルドホールディングス/すかいらーくホールディングス/FOOD & LIFE COMPANIES/コロワイド/トリドールホールディングス/くら寿司/吉野家ホールディングス/クリエイト・レストランツ・ホールディングス//他5社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
10.0% 0.8% 6.5%

・まん延防止等重点措置により時短営業を余儀なくされた前年からの反動により、国内を主戦場とする外食は軒並み二桁%の増収の状況

・他方、原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響により、営業利益率は全体として微増

・昨年低迷していた株価も業績の回復とともに、総じて回復の傾向(TOPIX比で6.5%増)

通期比較
(実績vs見込み)
11.8% 0.6%
小売
営業利益成長率
 四半期比較   :6.2%
 通期比較    :4.2%
EV/EBITDA:7.7x → 7.3x
PER      :17.0x → 18.8x
PBR      :1.2x → 1.3x
構成企業:
セブン&アイ・ホールディングス/イオン/ファーストリテイリング/パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス/ヤマダホールディングス/ウエルシアホールディング/ローソン/ツルハホールディングス/マツキヨココカラ&カンパニー/ニトリホールディングス/他33社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
5.7% △0.0% 5.1%

・行動制限がない当年は、まん延防止等重点措置が適用されていた前年に比べ、人流の増加やインバウンドの回復により、総じて増収の状況にあり、通期でも各社増収を見込む

・他方、物流費や水道光熱費のコストアップを完全に吸収できず、第4四半期ならびに通期での営業利益率は全体として横ばい

・個別銘柄でのM&Aトピックとしては、4月26日にイオンが17.01%を保有するいなげやの子会社化を発表。イオンとその子会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスといなげやは2024年11月をめどに経営統合し、「関東における1兆円のSM構想」と、1,000店舗体制を目指す

通期比較
(実績vs見込み)
4.6% △0.0%

記事監修

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