セクター天気予報 2023年3月版

セクターレポート 

足元の動向、すなわち2021年度3Qと比較した2022年度3Qの実績については、2Q同様、天気が回復基調(晴れ曇り以上)にあるセクターが大半となりました。一方で、セクター関係なく、エネルギー価格や原材料費の高騰の影響を受けており、収益性改善に陰りが見え始めています。

今後の天気、すなわち昨年実績と比較した今期の着地見込みについては、現在の天気と同様の見込みとなっていますが、今期見込みの下方修正を発表した企業も多く、足元の事業環境は厳しいものになっています。

セクター天気予報 2023年3月版

  • 天気アイコン:売上高成長率、営業利益(絶対額)の成長率および営業利益率の改善率を基準として、晴れ、晴れ曇り、曇り、小雨、雨の5段階
  • 現在の天気:前年同四半期との比較で現在の天気を判定
  • 天気予報:昨年通期実績と今期見込みとの比較で天気予報を実施
業界 分野 現在の天気
(前年同四半期比較)
天気予報
(今期見込)
1Q
(22/08)
2Q
(22/11)
3Q
(23/02)
4Q
(23/05)
インダストリアル 機械 資本財
インダストリアルテック
エネルギー 石油
電力
ガス
ケミカル・マテリアル 素材
化学
建設
物流
オートテック 自動車
テック
ヘルスケア
コンシューマー 食品
外食
小売
資本財
営業利益成長率
 四半期比較   :30.6%
 通期比較    :21.6%
EV/EBITDA:10.7x → 8.4x
PER      :33.3x → 19.6x
PBR      :2.0x → 1.5x
構成企業:
ダイキン工業/三菱重工業/小松製作所/クボタ/ジェイテクト/IHI/日立建機/住友重機械工業/日本精工/SMC/NTN/マキタ/荏原製作所/ダイフク/DMG森精機/日立造船/THK/ホシザキ/栗田工業/セガサミーホールディングス/ディスコ/ナブテスコ/アマダ/他17社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
17.7% 0.9% 5.6%

・人件費対応の自動化、経済安保対応の生産拠点の多極化、ESG対応といったニーズにより世界的なエンドユーザーの設備投資意欲は良好に推移しており、部品不足による生産のリードタイムの大幅な遅れが続く中で、内需・外需とも、前期からの増加率は緩やかに推移しており、併せて、財務実績としては堅調に推移
・海外市場を中心にリスクが多く存在し、欧米におけるインフレ・利上げ、及び、中国における景気の減速懸念、円安からの反転、日本株比重のリバランスから、平均時価総額は前期からマイナス評価となったものの、新年に入ってからの、一般機械・自動車・航空機を含めた世界的な大型投資が継続していることもあり、TOPIX対比ではプラスで推移

通期比較
(実績vs見込み)
12.2% 0.7%
インダストリアルテック
営業利益成長率
 四半期比較   :22.2%
 通期比較    :7.6%
EV/EBITDA:8.2x → 7.2x
PER      :15.3x → 15.1x
PBR      :1.3x → 1.2x
構成企業:
日立製作所/デンソー/三菱電機/豊田自動織機/ヤマハ発動機/川崎重工業/IHI/キーエンス/オムロン/ファナック/ダイフク/三菱ロジスネクスト/安川電機/横河電機/不二越/オカムラ/アズビル/椿本チエイン/ダイヘン/FUJI/ローツェ/キトー/平田機工/トーヨーカネツ/西部電機
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
19.7% 0.5% △6.1%

・半導体や自動車業界を中心とした5G対応やEV化対応の設備投資増加を受け、多くの企業が増収増益を達成。一方で、材料費・物流費・エネルギー価格の高騰によるコスト増の影響を吸収できなかった企業においては減益となった
・米金利引き上げやウクライナ問題等をきっかけに本セクター企業の株価は調整局面にあったが、本四半期は全体として堅調に推移。収益悪化が見られた一部マテハン企業の株価は低調に推移
・本セクターのM&Aについては、2022年10-12月は昨年比、また前四半期比でも件数・金額ともに減少しており、コロナ禍で活況だった状況は落ち着きつつある。一方で、大手企業によるデジタル技術分野のスタートアップへの出資・資本提携といった小規模案件が多く見受けられた

通期比較
(実績vs見込み)
13.5% △0.1%
石油
営業利益成長率
 四半期比較   :75.1%
 通期比較    :△41.3%
EV/EBITDA:4.5x → 5.7x
PER      :4.8x → 2.2x
PBR      :0.5x → 0.5x
構成企業:
ENEOSホールディングス/出光興産/コスモエネルギーホールディングス/INPEX/富士石油
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
35.9% △9.6% 9.8%

・前年同期との比較では、油価上昇による売上増や円ベースでの在庫評価益の計上もあり、各社とも大幅な増収増益基調が続いた一方で、在庫評価益を除いたベースでは実質減益となる企業もあり、今期予想は全体としてはEBITDAベースで対前年比減益となる見込み
・石油各社の株価は、アクティビスト銘柄となったコスモやポートフォリオ整理が好感されたJAPEXを除くと、1年前を比べて大きな変化はなく、業界のP/B倍率は概ね0.5x程度で推移している

通期比較
(実績vs見込み)
34.6% △3.7%
電力
営業利益成長率
 四半期比較   :97.8%
 通期比較    :126.2%
EV/EBITDA:13.3x → 21.5x
PER      :14.9x → 18.3x
PBR      :0.5x → 0.5x
構成企業:
東京電力ホールディングス/関西電力/中部電力/東北電力/九州電力/電源開発/中国電力/四国電力/北陸電力/北海道電力/イーレックス/沖縄電力/レノバ/リニューアブル・ジャパン
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
39.4% △3.9% △2.2%

・電力各社は、燃料価格の高騰を反映して、2022年12月迄の今期累計ベースで大幅増となる売上高を計上した一方で、効率化施策の効果があった四国を除き、同期間に巨額の営業赤字を計上した。直近の円安傾向の修正に伴う燃料価格の低下等を反映し、関電、中電などは前四半期公表時の今期見通しを今回上方修正したが、東電、関電が対前年比で赤字転落となるなど、業績は依然として厳しい
・大手電力の株価は、これまでの赤字決算を織り込んでいる他、最近の燃料価格の低下や値上げにともなう業績改善期待もあり、1年前からはプラスで推移しており、P/B倍率は0.5x前後で安定的である

通期比較
(実績vs見込み)
40.4% △5.0%
ガス
営業利益成長率
 四半期比較   :948.1%
 通期比較    :110.5%
EV/EBITDA:9.3x → 7.7x
PER      :19.9x → 7.3x
PBR      :0.8x → 0.7x
構成企業:
東京瓦斯/大阪瓦斯/東邦瓦斯/西部ガスホールディングス
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
46.6% 6.9% 2.1%

・2022年12月期までの今期累計ベースでは、ガス価格上昇の恩恵を受け、各社とも大幅な増収を達成したが、営業利益ベースでは、海外プロジェクトの影響により東京ガスと大阪ガスが明暗を分けるなどまだら模様となった。通年では、大阪ガスがフリーポート火災の影響をリカバリーできず減益となる他は、概ね今期増益予想となっている
・大手都市ガス各社の株価に大きな変化は見られず、直近のEBITDA倍率は概ね6~7xの間で推移した

通期比較
(実績vs見込み)
37.7% 1.3%
素材
営業利益成長率
 四半期比較   :0.7%
 通期比較    :3.4%
EV/EBITDA:5.4x → 5.8x
PER      :6.8x → 6.3x
PBR      :0.6x → 0.7x
構成企業:
日本製鉄/JFEホールディングス/神戸製鋼所/AGC/三菱マテリアル/住友金属鉱山/UACJ/日本板硝子/三井金属鉱業/大同特殊鋼/日本軽金属ホールディングス/山陽特殊製鋼/大和工業/セントラル硝子
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
14.0% △1.4% 25.3%

・原材料・エネルギー価格の高騰は各社にとって逆風であり、かつ自動車需要の戻りに遅れはあるが、直近四半期決算ではコロナ禍影響から回復基調の様子
・ウクライナでの戦争によるサプライチェーンへの影響、半導体市況の先行き不透明さといった変動要因はあるも、今期見込みは概ね堅調な見方
・他方、ESGに関する市場からの声が依然として大きく、カーボンニュートラル等に向けた取組みを強化しているところ、各社の投資方針動向が注視される

通期比較
(実績vs見込み)
9.6% △0.2%
化学
営業利益成長率
 四半期比較   :△12.3%
 通期比較    :4.8%
EV/EBITDA:7.0x → 7.0x
PER      :12.2x → 12.9x
PBR      :1.0x → 0.8x
構成企業:
三菱ケミカルグループ/住友化学/信越化学工業/旭化成/三井化学/昭和電工/日本ペイントホールディングス/積水化学工業/日本酸素ホールディングス/東ソー/DIC/日東電工/エア・ウォーター/三菱瓦斯化学/クラレ/カネカ/ダイセル/関西ペイント/UBE/デンカ/JSR/日油/日産化学
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
11.9% △2.1% △5.3%

・前四半期同様、原材料やエネルギー価格の高騰を受けての価格転嫁や円安効果により過去最高売上を記録した企業が多い一方、半導体不足による自動車の生産台数調整や中国の景気後退に伴う需要環境の悪化により減益となり、前年同期比で増収減益となるが多数
・電子材料市場の減速が顕在化しており、2023年上半期までは同傾向が継続すると見る企業が多い
・軟調な業績と将来見通しの不透明感により、株価は下落傾向
・業績悪化による構造改革が進行しており、三井化学と旭化成による衛生材料向け不織布事業の統合が公表されたほか、帝人は踏み込んだ内容の収益性改善計画を公表

通期比較
(実績vs見込み)
11.2% △1.2%
建設
営業利益成長率
 四半期比較   :△15.0%
 通期比較    :△1.9%
EV/EBITDA:5.7x → 6.0x
PER      :9.9x → 11.8x
PBR      :0.8x → 0.7x
構成企業:
鹿島建設/大林組/清水建設/大成建設/インフロニア・ホールディングス/エクシオグループ/きんでん/戸田建設/関電工/コムシスホールディングス/三井住友建設/ミライト・ホールディングス/九電工/熊谷組/安藤・間/高砂熱学工業/ユアテック/トーエネック/ダイダン/他9社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
7.1% △1.4% 1.1%

・公共工事の堅調な推移や民間設備投資の回復の影響もあり、建設業界全体として概ね増収という結果になった。他方で利益面については、多数のプレイヤーが資材価格上昇の影響を受けて減益。特に第3四半期においては設備工事会社において営業利益の下方修正が目立った
・通信事業者の設備投資が一服した通信工事会社を除いて、建設業の株価は1年前と比較して概ね横ばいだが、過去からPBRが1倍を割れている会社が多く、純資産価値に下支えされている側面が大きい
・M&Aについては上半期と比較して落ち着いたが、旭化成ホームズ、住友林業といったハウスビルダーは北米住宅関連企業のロールアップ買収を継続しており、またJR東日本による関連建設会社株式の買い増し等の動きがあった

通期比較
(実績vs見込み)
6.0% △0.7%
物流
営業利益成長率
 四半期比較   :5.6%
 通期比較    :7.1%
EV/EBITDA:6.6x → 5.2x
PER      :11.3x → 9.1x
PBR      :0.8x → 0.7x
構成企業:
日本郵船/NIPPON EXPRESSホールディングス/ヤマトホールディングス/商船三井/SGホールディングス/近鉄エクスプレス/川崎汽船/日立物流/センコーグループホールディングス/セイノーホールディングス/山九/SBSホールディングス/鴻池運輸/他17社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
5.0% 0.1% 8.9%

・サプライチェーン混乱に起因する海上・航空運賃の高止まりは継続しており、また国内外の物流量が堅調に推移したこと、円安などの影響を受け、直近四半期でも多くの企業が増収増益を達成したが、エネルギー価格の高騰や人件費の上昇の影響を受け一部の企業は減益となった
・景況感の悪化や物流需要の失速、サプライチェーン混乱の収束を背景に、22年度の業績見込みを下方修正する企業や、23年度は減収減益を見込む企業も存在しており、コロナ禍の特需が剥落した後の収益確保が今後の課題となっている
・業績の下方修正を発表している外航海運3社を除き、物流企業の足元の株価は一年前と同水準で推移
・当該セクターのM&Aとしては、安田倉庫によるエーザイ物流の買収、センコーグループホールディングスによるオーナミの買収など、物流子会社の整理が引き続き進行している

通期比較
(実績vs見込み)
5.2% △0.1%
自動車
営業利益成長率
 四半期比較   :28.6%
 通期比較    :3.8%
EV/EBITDA:5.3x → 4.5x
PER      :9.9x → 11.1x
PBR      :0.9x → 0.7x
構成企業:
トヨタ自動車/本田技研工業/日産自動車/デンソー/スズキ/アイシン/マツダ/SUBARU/豊田自動織機/いすゞ自動車/三菱自動車工業/ヤマハ発動機/トヨタ紡織/日野自動車/豊田合成/NOK/東海理化電機製作所/テイ・エス テック/KYB/武蔵精密工業
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
22.1% 0.3% 2.3%

・自動車OEMでは車載半導体の供給不足により生産台数の減少が継続するも、大幅な円高の進行で海外事業の円換算での収益増加や輸出製品の競争力向上といった追い風を受け増収。一方で、原材料やエネルギー価格の高騰による収益圧迫が減益要因となっている
・OEMの減産継続や資材高騰の影響を受けて自動車部品メーカーの多くは前年比で減益傾向、通期見通しの下方修正を余儀なくされる企業もでてきている

通期比較
(実績vs見込み)
14.7% △0.5%
テック
営業利益成長率
 四半期比較   :6.6%
 通期比較    :7.0%
EV/EBITDA:9.0x → 8.0x
PER      :17.4x → 23.3x
PBR      :2.0x → 2.7x
構成企業:
日本電信電話/日立製作所/ソニーグループ/パナソニック/ソフトバンクグループ/ソフトバンク/KDDI/三菱電機/キヤノン/富士通/リクルートホールディングス/東芝/日本電気/東京エレクトロン/シャープ/エヌ・ティ・ティ・データ/TDK/日本電産/京セラ/リコー/他130社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
10.8% △0.5% △5.9%

・電機セクターでは生産および供給の正常化が進展し、前年同期比で増収傾向はみられる。一方、部材価格や物流コストの上昇、円安による海外生産のコスト増など、収益力の改善は鈍い。各社の取り扱う製品、生産体制、地域毎の需要状況など、各社の収益改善幅にはばらつきがあり、今後の取り組み方針により差が開く可能性はあるものと推察
・電子部品セクターは円安の業績押上により、前年同期比で増収増益を達成している企業もみられ、底堅さはある。一方、大手部品メーカーで通期業績予想の下方修正が相次いでおり、足元の部品市況は調整色が強まっているとみられる
・国内ITサービスは直近四半期で全体的に増収増益傾向にあり、DX対応を背景とした旺盛な需要に支えられている

通期比較
(実績vs見込み)
9.1% △0.1%
ヘルスケア
営業利益成長率
 四半期比較   :9.2%
 通期比較    :6.3%
EV/EBITDA:13.0x → 11.5x
PER      :28.0x → 24.2x
PBR      :2.7x → 2.2x
構成企業:
武田薬品工業/メディパルホールディングス/アルフレッサ ホールディングス/スズケン/アステラス製薬/第一三共/中外製薬/オリンパス/テルモ/エーザイ/住友ファーマ
シップヘルスケアホールディングス/ニプロ/島津製作所/小野薬品工業/シスメックス/協和キリン/他27社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
14.9% △1.2% △5.5%

・昨年10月以降コロナ感染再拡大したものの、ウィズコロナへの新たな段階への移行が加速し経済活動の正常化や景気の緩やかな回復傾向を背景として、多くのヘルスケアセクター企業で昨年同期比で増収を達成した。一方、世界的な物価高騰や人件費上昇の影響・コロナ化で抑制していた人材/開発投資を進めたことで一部企業では減益。セクター全体の利益水準としてはほぼ横ばいとなった
・株価は昨年同期比下回る水準で推移する銘柄が多く、全体のバリュエーション水準(EV/EBITDA)は低下。引き続きコロナ禍特需が剥落した後の収益確保が課題となっている
・主なM&A案件としては、武田薬品工業による米創薬企業Nimbusの5,400億円超の大型買収や、ジェイ・ウィル・パートナーズによる事業再生ADR手続き中の日医工の買収などがある

通期比較
(実績vs見込み)
10.1% △0.4%
食品
営業利益成長率
 四半期比較   :9.8%
 通期比較    :0.5%
EV/EBITDA:8.7x → 8.7x
PER      :18.7x → 17.7x
PBR      :1.4x → 1.2x
構成企業:
日本たばこ産業/アサヒグループホールディングス/キリンホールディングス/サントリー食品インターナショナル/味の素/日本ハム/明治ホールディングス/山崎製パン/マルハニチロ/コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス/伊藤ハム米久ホールディングス/他28社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
11.2% △0.2% 2.2%

・販売価格改定や海外事業における円安の押上げ効果により、売上高は前年同期比で二桁%増収の状況
・他方、国内を主戦場とするプレーヤーを中心に円安を伴う原材料高騰の影響を吸収しきれず、営業利益率は前年同期比で微減。
・株価の伸び(TOPIX比)は業界全体では2.2%と微増。海外売上比率の高い食品企業は二桁の伸びを示しているところもある一方で、国内を主戦場とする企業を中心に下落傾向にある

通期比較
(実績vs見込み)
6.8% △0.5%
外食
営業利益成長率
 四半期比較   :11.9%
 通期比較    :7.4%
EV/EBITDA:12.8x → 14.8x
PER      :48.4x → 53.5x
PBR      :3.8x → 3.7x
構成企業:
ゼンショーホールディングス/日本マクドナルドホールディングス/すかいらーくホールディングス/FOOD & LIFE COMPANIES/コロワイド/トリドールホールディングス/くら寿司/吉野家ホールディングス/クリエイト・レストランツ・ホールディングス//他5社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
11.8% 0.1% 6.6%

・まん延防止等重点措置により時短営業を余儀なくされた前年からの反動により、国内を主戦場とする外食は軒並み二桁%の増収の状況
・他方、原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響により、営業利益率は全体として微増
・昨年低迷していた株価も業績の回復とともに、総じて回復の傾向(TOPIX比で6.6%増)
・個別銘柄のトピックとしては、2月16日にロッテリアの買収を発表したゼンショーホールディングスが第3四半期の好決算と相俟って、上場来高値を更新している

通期比較
(実績vs見込み)
14.0% 0.3%
小売
営業利益成長率
 四半期比較   :1.0%
 通期比較    :5.3%
EV/EBITDA:7.6x → 7.8x
PER      :15.9x → 17.5x
PBR      :1.5x → 1.2x
構成企業:
セブン&アイ・ホールディングス/イオン/ファーストリテイリング/パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス/ヤマダホールディングス/ウエルシアホールディング/ローソン/ツルハホールディングス/マツキヨココカラ&カンパニー/ニトリホールディングス/他33社
売上高成長率 営業利益率増減 株価伸び率
(TOPIX比)
現在/今後の天気 コメント
四半期比較
(前年同期比)
6.5% △0.2% 5.2%

・行動制限がない当年は、まん延防止等重点措置が適用されていた前年に比べ、人流の増加により、総じて増収の状況にあり、通期でも各社増収を見込む
・他方、物流費や水道光熱費のコストアップを完全に吸収できず、第3四半期ならびに通期での営業利益率は全体としては微減の状況
・個別銘柄でのトピックとしては、セブン&アイ・ホールディングスが2022年11月11日に子会社であるそごう・西武の売却を発表。同社の第3四半期の好決算と相俟って、上場来高値を更新し続けている

通期比較
(実績vs見込み)
3.7% △0.1%

記事監修

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